映像授業・オンライン予備校の利用規約

映像授業やオンライン予備校の規約は、動画やテキストの提供と、質問・学習管理・添削のサポートが一つになった契約です。混ざり方をそのままにせず、期間、質問対応、返金をそれぞれ決めます。

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『無期限』『24時間対応』と広告していても、規約にサービス終了の精算や回答までの時間が書かれていなければ、受講生の期待とずれます。入会金は返金しないという一律の定めは、中途解約の上限を超えるおそれがあります。

このページの要点

  • 教材部分(視聴できる状態にする)とサポート部分(継続して行う)を定義で分け、料金の内訳も分けて示せるようにする。
  • 買い切りプランは『提供を継続する限り』とし、終了の通知期間と精算を必ずセットにする。規約の変更は民法548条の4の手続による。
  • 質問対応は、回数・受付と回答の時間・対象科目を分けて書き、成績や合否は保証しない旨を広告の表現と一致させる。
  • サポートが学力の教授に当たり、2か月超・5万円超なら特定継続的役務提供。任意の返金制度と法定の解除の権利は別の条に分ける。

結論:「動画を売る契約」と「学習を支える契約」を分けて書き、期間・質問対応・返金をそれぞれ決める

映像授業やオンライン予備校の利用規約は、教室型の塾の規約を移したものでは足りません。受講生は、動画やテキストという教材を手に入れるだけでなく、チャットでの質問、学習計画の管理、課題への添削といったサポートも受けます。つまり一つの契約の中に、教材の提供(物や権利の売買に近い部分)と、サポート(学習の支援という継続的な役務)が混ざっています。この混ざり方をそのままにして、返金やクーリング・オフの条文を書くと、教材は返せないのか、サポートは日割りなのか、といった点が決まらなくなります。

規約で先に決めておきたい点は、おおむね5つです。教材とサポートのどちらが契約の中心か、一定の月数の期間付きプランと買い切り(期間の定めのない)プランの期間の書き方、質問対応の範囲、アカウントの共有や教材の録画・転売の禁止、そして特定商取引法の特定継続的役務提供に当たるかどうかです。順に、一般的な書き方を紹介します。

教室型の塾の関連商品の扱いは月謝・入塾金・教材費のページ、クーリング・オフの数え方はクーリング・オフのページ、オンライン授業の通信障害と録画はオンライン個別指導のページで扱いました。このページは、録画した映像授業と質問サポートを組み合わせた、規約中心の販売形態に絞ります。合格実績や成績保証の表示は合格実績・成績保証の表示のページで扱います。

教材の販売とサポートが一つになった契約:どちらが主かで変わること

契約の性質は、提供する内容によって変わります。動画やテキストを一定の期間または無期限に視聴できる権利を与える部分は、教材の売買や利用許諾に近く、質問に答える、学習状況を見て助言する、課題に添削を返す部分は、準委任(法律行為でない事務の委託。民法656条)に近いものです。一つの規約にまとめる場合でも、それぞれの部分に何が含まれているかを、規約の定義条で分けて書いておくと、後の条文が整理しやすくなります。

教材部分とサポート部分の違い

項目教材(動画・テキスト)サポート(質問・学習管理・添削)
提供の形視聴や閲覧ができる状態にする(引渡しに近い)期間にわたって継続して行う
成果の扱い内容が契約どおりに提供されたかが問題成績や合否は保証しない。誠実に行うことが債務
提供済みかどうか視聴可能にした時点で、提供は完了したと見ることが多い期間が経過した分だけ提供したと見る
返金の考え方視聴可能にした後の返品・返金を認めない特約を表示する設計が多い未提供の期間に対応する部分を精算する考え方が合う

一般的な整理です。実際の扱いは、規約の定義と料金の内訳で決まります。

どちらが主かで変わるのは、返金の考え方だけではありません。教材が主で、サポートは付録的な位置づけなら、販売の取引に近く、返品や返金の可否を通信販売の表示(特定商取引法11条)で決める設計になります。サポートが主で、教材はその一部なら、期間にわたる役務の契約として、中途解約と精算の考え方が中心になります。実際には、料金の大半が何の対価かが目安になります。料金の内訳を教材とサポートで分けて示せるのであれば、分けて示す方が、返金のときの説明がしやすくなります。

通信販売では、広告に、対価、支払の時期と方法、提供の時期、申込みの撤回または解除に関する事項などを表示する必要があります(特定商取引法11条)。通信販売には、訪問販売のようなクーリング・オフ制度はありません。商品の売買については、商品の引渡しを受けた日から8日以内の申込みの撤回等を認める規定がありますが、広告に特約を表示していればそちらが優先されます(15条の3第1項)。この規定が対象にしているのは、商品または特定権利の売買契約です。動画の視聴権が商品の売買に当たるのか、役務の提供に当たるのかは、整理が分かれ得るため、規約には、返品や返金を認める場合と認めない場合の条件を、表示の内容と一致させて書いておきます。

期間付きプランと買い切りプラン:期間の書き方、起点、サービス終了

期間付きのプランと、期間の定めのない買い切りプランを併せて用意する例があります。買い切りは、サービスを提供し続ける限り、追加の費用なく利用できる設計です。「無期限」「一生使える」などの表現は、受講生にとって魅力的ですが、事業者が事業を続けられなくなったときや、サービスを終了するときに、受講生の期待とのずれが大きくなります。

条文例第◯条(契約期間)

1期間プランの契約期間は、乙(受講生)の支払が確認された日から起算して◯か月とし、その末日をもって終了する。

2買い切りプランの契約期間には、定めがない。乙は、甲が本サービスの提供を継続する限り、本サービスを利用することができる。

3甲は、本サービスの全部又は一部を終了しようとするときは、終了日の◯日前までに、乙に通知する。

4前項により本サービスが終了した場合の乙に対する返金その他の取扱いは、第◯条による。

『甲が提供を継続する限り』は、終了の可能性を受講生に伝える言葉でもあります。終了の通知期間と精算の条文を、必ずセットにします。

起点の書き方にも注意が必要です。契約期間の起点を「支払が確認された日」にして、教材の提供開始は「確認後◯営業日以内」とする書き方があります。この場合、起点から提供開始までの数日分は、受講生が利用できないのに期間が進んでいます。数日の差であっても、期間の末日が決まるプランでは、起点と提供開始日を一致させる(または提供開始日を起点とする)方が、後の行き違いを防げます。起点の違いは、特定継続的役務提供に当たる場合の期間の数え方にも影響します。

サービス終了の条項は、民法の定型約款の規定との関係でも確認します。規約は、不特定多数の受講生を相手にする定型の取引で使うため、多くの場合、定型約款に当たります。定型約款の変更は、相手方の一般の利益に適合するとき、または契約をした目的に反せず、変更の必要性、変更後の内容の相当性などに照らして合理的なときに限って、個別の合意なしにできます(民法548条の4第1項)。変更する場合は、効力発生時期を定め、変更する旨と内容を周知する必要があります(同条2項)。サービスの一部の終了や料金の改定が、この変更に当たる場合があります。「利用を続けたときは変更に同意したものとみなす」と書くだけでは足りません。この点は塾の利用規約のページの規約変更の章でも述べています。

消費者契約法10条は、法令の任意規定に比べて消費者の権利を制限し義務を加重する条項のうち、消費者の利益を一方的に害するものを無効としています。買い切りプランで、「サービス終了時は返金しない」「事業者の判断でいつでも終了できる」と書く規約は、この条文との関係で問題となり得ます。終了の際は、通知期間を置き、買い切りの対価のうち、終了によって利用できなくなる部分について、どのように扱うかを書いておくのが安全です。期間付きプランでは、未経過の期間に対応する額の返還が考えやすく、買い切りプランでは、料金を想定した利用期間で割って精算する、といった書き方が検討されます。

あらかじめ確かめること 期間の設計

  1. 買い切りプランは、事業者が何年程度の提供を想定していますか。想定を受講生に伝えていますか。

    『無期限』の表現と、実際に提供できる期間との間のずれを確かめるためです。

  2. 契約期間の起点は、支払の日、確認の日、教材の提供開始日のどれですか。

    起点がずれると、期間の末日、クーリング・オフの期間、返金の精算の式が連動してずれます。

  3. 期間満了後も、一部の教材を見られる扱いにしますか。その扱いはいつまで続けますか。

    満了後の閲覧は『事業者が継続する限り』とし、終了の通知を条文で置く必要があるためです。

  4. サービスの内容や料金を改定する可能性はありますか。既存の受講生に適用しますか。

    規約の変更(民法548条の4)の手続を使うか、新規の受講生だけに適用するかを決めるためです。

質問対応の範囲:回数、回答までの時間、対象科目、成績の非保証

映像授業のサポートで、受講生が最も重視するのは、質問への対応です。そのため、広告や申込みページで、「24時間いつでも質問できる」「質問は回数無制限」などの表現が使われることがあります。規約に書くときは、これらの表現が実際の運営と一致しているかを確かめます。

書き方の例(一般的な例) 質問対応の範囲

質問の回数

よくある書き方質問は、回数の制限なく、いつでも受け付ける。
整えた書き方質問は、本サービスの利用期間中、所定の窓口から受け付ける。1日あたりの質問数、1回の質問に含める問題数に上限を設ける場合は、別紙に定める。

なぜ変えるか回数無制限は、運営の負荷が大きく、実際には制限をかけることが多くなります。制限が必要ならば、先に規約に書いておく方が、受講生とのずれを防げます。

回答までの時間

よくある書き方24時間対応とする。
整えた書き方質問の受付は24時間行う。回答は、受付後◯営業日以内を目安とし、これを超えることがあっても、直ちに債務不履行とはならない。

なぜ変えるか受付が24時間なのか、回答まで24時間なのかが、広告と規約で食い違いがちです。受付と回答を分けて書きます。

対象科目・範囲

よくある書き方受講生の学習に関する質問に答える。
整えた書き方質問の対象は、受講している教材および講座に含まれる科目に限る。志望校の個別の出題傾向、学校の定期試験の内容、他社の教材に関する質問は対象外とする。

なぜ変えるか範囲を定めないと、際限なく広がるおそれがあります。対象外の質問が来たときの対応も決めます。

回答の担当者についても、規約で整理します。質問に答えるのが、事業者が直接雇う講師なのか、外部の講師なのか、あるいは生成AIによる自動回答の仕組みを含むのかは、受講生の期待に関わります。人が答えるのだと受け取られる広告をしながら、実際には自動回答が中心になっている、という状態は避け、回答の方法の概要を規約か申込みページで示します。AIが作る解説は誤りを含むことがあり、その免責については子ども向け学習アプリの利用規約のページで整理します。

サポートの質に関わる遅延が続いた場合の対応も、決めておく必要があります。回答の目安時間を超えることがあっても債務不履行とはならない、と書く場合は、著しい遅延が継続したときに、期間の延長、追加の対応、一部の返金といった措置を検討する、という救済の筋道も同時に書いておきます。目安時間を超える遅延を全面的に免責する書き方は、受講生の利益を一方的に害するものとして問題になり得ます。

成績や合否は保証しない旨は、規約に書いておきます。ただし、「保証しない」と書くだけでは、広告や面談での説明と食い違ったときの防御になりません。受講生が第三者に紹介する体験談や、合格実績の表示も含めて、成績や合否が受講生の努力や環境にも左右されることを、同じ表現で示します。成績保証や返金保証を特典として設計する場合の書き方は合格実績・成績保証の表示のページに譲ります。

アカウントの共有、録画、転売の禁止と、教材の著作権

映像授業の教材は、オンラインで配信されるため、複製と拡散が容易です。規約には、教材の知的財産権が事業者または権利者に帰属し、料金の支払によって移転しないことを書いたうえで、受講生に次のような行為を禁止します。

  • アカウントの共有:ID・パスワードを他人に教える、貸す、同時に複数の端末で使わせる行為。兄弟姉妹で一つのアカウントを使うことを認めるかどうかは、料金設計と合わせて決めます。
  • 録画・録音・スクリーンショット:画面を録画して保存する、教材を撮影する行為。授業の録画は自分の復習の目的だけに認め、第三者への提供を禁じる、という中間の線も考えられます。
  • 転売・再配布:教材やアカウントを、オークションやフリマで売る、SNSや動画共有サイトに載せる、友人に配る行為。
  • 教材を使った営業:教材の内容を自分の講座や教材に使う、他の受講生に有償で教える行為。

禁止の定めだけでは、実際の違反に対処しにくくなります。違反が見つかったときの手順も、規約に書いておきます。アカウントの利用停止、教材の閲覧権限の取消し、違反行為の差止めの請求、損害賠償の請求、といった段階です。違反が疑われる段階で、いきなり契約を解除するのではなく、まず是正を求め、応じない場合に利用を停止し、悪質な場合に解除する、という順序を書くと、受講生の納得を得やすくなります。

違反に対して、あらかじめ高額な違約金を定める例もありますが、慎重に検討します。契約の解除に伴う損害賠償の額の予定や違約金は、同種の契約の解除に伴い事業者に生ずる平均的な損害の額を超える部分が無効になります(消費者契約法9条1項1号)。解除に伴わない単純な契約違反に対する賠償額の予定は、この条文の対象外ですが、過大であれば、同法10条や民法90条(公序良俗)の問題となり得ます。実際に生じた損害の賠償を請求できる旨を書くのが基本で、予定額を置く場合は、算定の根拠を説明できる範囲にとどめます。

未成年の受講生が多い場合は、家庭内での利用の範囲も整理します。保護者や兄弟姉妹が一緒に視聴することを認めるのか、家庭の外(学校や友人宅)での視聴を認めるのかです。「同居の家族が家庭内で受講生本人の学習のために使う場合に限る」といった線引きは、実態に合います。未成年者が契約をする場合の同意の取り方は保護者と未成年者のページで述べています。

特定継続的役務提供の当てはめ:映像授業・サポート付きの場合

特定継続的役務提供は、特定商取引法41条以下に定められた、長期・継続的で高額な取引の規制です。学習塾・家庭教師の類型では、入学試験に備えるため、または学校教育の補習のための学力の教授で、期間が2か月を超え、対価の総額が5万円を超える契約が対象になります(同法41条1項、施行令24条、別表第四の四・五の項)。映像授業の事業が対象になるかは、サポートの中身で決まります。

映像授業・質問サポート付きの契約の当てはめ

  1. STEP1

    教材の提供だけでなく、学力の教授に当たるサポート(個別の質問対応、課題の添削、学習の指導)が契約に含まれているか。

    はい次の段へ。いいえ教材の販売が中心で、学力の教授に当たる役務が含まれないなら、通信販売や売買の規制を中心に見る。含まれるかどうかは、サポートの実際の内容で判断する。
  2. STEP2

    その学力の教授は、入学試験に備えるため、または学校教育の補習のためのものか(幼稚園・小学校の入試対策や大学の補習は外れる)。

    はい次の段へ。いいえこの類型には当たらない。英語など語学の教授は、別の類型を確かめる。
  3. STEP3

    提供される場所は、事業者が用意する場所か、それ以外(受講生の自宅やオンライン)か。

    はい事業者が用意する場所なら学習塾型(別表第四の五の項)。いいえ受講生の自宅やオンラインなら家庭教師型(別表第四の四の項)として検討する。
  4. STEP4

    契約の期間が2か月を超え、対価の総額が5万円を超えるか(入会金や初期費用、教材の代金を含めて見る)。

    はい対象になり得る。概要書面・契約書面・クーリング・オフ・中途解約の規制が及ぶ。いいえこの規制は及ばない。ただし、消費者契約法と通信販売の規制は別に及ぶ。

判定の順番の一般的な整理です。オンラインの映像授業が、どの類型に当たるかの最終的な判断は、サポートの実際の内容を踏まえて確かめます。

映像授業に固有の論点は3つあります。

  • 買い切りプランと期間の要件:特定継続的役務提供の期間は、契約で提供を約した期間が基準になります(41条1項1号)。買い切りプランは、期間の定めのない契約なので、期間の要件をどう当てはめるかは単純ではありません。期間の定めがないことだけを理由に、規制の対象外と決めてしまわず、実際に2か月を超えてサポートが続く設計かどうかを見て、備えておくのが安全です。
  • 教材が関連商品になる場合:学習塾・家庭教師の類型の関連商品には、書籍と、音、影像またはプログラムを記録した物などがあります(施行令別表第五の三)。関連商品は、役務の提供に際して購入する必要のある商品であれば、クーリング・オフや中途解約の対象になります(特定商取引法48条2項、49条5項・6項)。条文は『記録した物』と書いているため、配信による視聴権がこれに当たるかは、条文だけでは直ちには読み取れません。DVDやUSBなどで教材を送る場合は、関連商品に当たる可能性を検討します。
  • 入会金・初期費用の扱い:契約の際に支払う入会金や初期費用などは、対価の総額に含めて見るのが一般的な考え方です。「入会金・初期費用は理由を問わず返金しない」と一律に書くと、中途解約の上限(49条2項)を超える請求になるおそれがあります。提供開始前に解約された場合、請求できる額は、契約の締結および履行のために通常要する費用の額に限られ、その額は役務の類型ごとに施行令(31条、別表第四)が定めています。

対象になる場合、事業者は、契約前の概要書面と、契約後の契約書面を交付する必要があります(42条1項・2項)。受講生は、契約書面を受け取った日から8日を経過するまでは、書面または電磁的記録で契約を解除できます(クーリング・オフ、48条1項)。8日を経過した後も、将来に向かって契約を解除でき、事業者が請求できる額には上限があります(49条1項・2項)。これらに反する特約で受講生に不利なものは無効です(48条8項、49条7項)。規約の返金の条文が、この上限を超えていないかは、中途解約と返金のページの式で確かめてください。概要書面と契約書面の記載事項は概要書面・契約書面のページにまとめています。

返金・解除・未成年者の同意の条項

期間付きプランに、受講生の側から一定期間内に解約して返金を受けられる設計を置く例があります。返金の事由を列挙し、一定の条件(課題の提出など)を満たすことを求め、所定の手数料を差し引いて返金する、という書き方です。このような返金の定めは、事業者が任意に設ける特典としての性質を持つ場合と、法律上の中途解約の仕組みを書き換えている場合とがあり、どちらかによって、確認すべき点が変わります。

書き方の例(一般的な例) 返金の条項

返金の事由と手数料

よくある書き方返金を受けられるのは、所定の事由に当たる場合に限る。返金額は、決済額から所定の割合の手数料を差し引いた額とし、期間を過ぎた申請には応じない。
整えた書き方本条の返金は、事業者が任意に定める制度であり、法令に基づく解除(クーリング・オフ、中途解約)の権利を制限するものではない。法令に基づく解除の場合の精算は、第◯条に定めるところによる。

なぜ変えるか任意の返金制度が、法令上の解除の権利を排除する形に読めると、特約として無効になるおそれがあります。両者を別の条に分け、関係を明記します。

成績が上がらない場合

よくある書き方受講期間中に課題を提出し、期間を受講しても成績が上がらなかったときは、返金を受けられる。
整えた書き方返金の可否の判断に用いる『成績が上がらなかった』は、客観的に確認できる基準(指定の模試の結果など)で定める。判断は、受講生から提出された資料に基づく。

なぜ変えるか『成績が上がらなかった』の基準があいまいなままだと、判断を巡る争いになります。基準と必要書類を先に示します。

買い切りプランについては、「原則として受講生の都合による解除および返金には応じない」と書く例があります。ただし、特定継続的役務提供に当たる場合は、法定のクーリング・オフと中途解約の規定が優先します(48条8項、49条7項)。当たらない場合でも、事業者の側の事情でサービスの提供が長期間できなくなったときの返金について、「協議のうえ定める」とだけ書くと、受講生は何も予測できません。提供ができない期間が一定を超えたときに返金する、という最低限の基準を置くのが安全です。

受講生が未成年の場合は、契約について保護者の同意が必要です(民法5条1項)。同意を得ずにした契約は取り消すことができます(同条2項)。大学受験向けの予備校では、受講生の大半が高校生であり、保護者の同意の取り方は重要です。同意の確認ができないうちは契約の効力が生じないと書く、同意の確認の方法(書面、電子署名、保護者のメール確認)を書く、保護者が料金の支払の責任を負うかどうかを書く、といった整理があります。保護者が支払の責任を負う場合は、その旨を保護者が明確に理解できる形で示します。分割払いの場合の割賦販売法との関係は月謝・入塾金・教材費のページにまとめています。

よくある疑問と答え 映像授業の規約

動画を一度でも再生したら、返金を断れますか?

返品や返金の可否の条件を、広告や申込み画面に表示していることが前提です。特定継続的役務提供に当たる契約では、クーリング・オフや中途解約の権利が法定されているため、再生したことだけを理由に一律に返金を断る条文は無効になるおそれがあります。

アカウント共有を見つけたら、すぐに解除してよいですか?

解除できると書くことは可能ですが、まず是正を求め、応じない場合に利用を停止し、悪質な場合に解除する、という段階を書いておく方が、受講生に受け入れられやすく、運用も安定します。

起きがちなこと

よくあるご質問

映像授業の規約では、教材の販売とサポートを分けて書くべきですか?

分けて書く方が、後の条文が整理しやすくなります。動画やテキストを視聴できる状態にする部分と、質問対応・学習管理・添削を継続して行う部分とでは、成果の扱いも、提供済みかどうかも、返金の考え方も違うためです。定義の条で別々に定義し、料金の内訳も分けて示せる形にします。

買い切り(期間の定めなし)プランは、特定継続的役務提供の対象になりますか?

契約で提供を約した期間が基準になるため、期間の定めがないことの当てはめは単純ではありません。期間の定めがないことだけを理由に対象外と決めず、実際にサポートが2か月を超えて続く設計か、対価の総額が5万円を超えるかを見て、備えておくのが安全です。

質問対応で『24時間対応』と広告してよいですか?

受付が24時間なのか、回答までが24時間以内なのかを分けて、広告と規約で一致させます。回答は営業日ベースの目安時間にとどめる場合は、受付が24時間でも回答は目安時間以内と書き、広告にも同じ趣旨を表示します。

アカウントを家族で共有されたとき、どう対処できますか?

規約でアカウントの共有を禁止し、違反が確認されたときは、是正の要求、利用の停止、解除、の順に段階を書いておきます。兄弟姉妹や同居の家族が家庭内で受講生本人の学習のために使う場合を認めるかどうかは、料金設計と合わせて決めます。

入会金や初期費用は返金しないと規約に書いてよいですか?

特定継続的役務提供に当たる契約では、これらも対価の総額に含めて見るのが一般的で、提供開始前の解約で請求できるのは契約の締結および履行のために通常要する費用の額に限られます(特定商取引法49条2項)。一律の不返還の定めは、この上限を超えるおそれがあります。

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本ページは一般的な情報提供です。特定商取引法・消費者契約法・個人情報保護法などの運用は、所管の行政機関の解釈や個別の事情によって異なることがあります。書き方の例として紹介している内容は、一般に見られる書き方を整理した例で、特定の事業者や案件を示すものではありません。条文は e-Gov法令検索で確認しています。参考: e-Gov法令検索 / 特定商取引法ガイド(消費者庁) / 個人情報保護委員会 / 裁判所ウェブサイト

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